堀内亜紀さんと「山ノ神」

「1枚の絵の働きを、会期中にこれほどまでに実感するのは、私自身初めてです。」
約1年半前、その場から動けなくなるほどに惹かれた猿田彦大神… この方を自動書記に近い形態で描かれた堀内亜紀さんに、ようやくお会いすることができ。

その日の夜から朝までずっと、ギャラリーを離れる直前に飛び込んできた「山ノ神」という作品があたまから離れず、ずっとそわそわどきどきしていて。亜紀さんにそれをお伝えしたところ「山ノ神の磐座は三輪山にあります。」というメッセージをいただいた。

そのたったひとつの情報から渦のように起こったシンクロの嵐は… 文章にはできない。そわそわどきどきだった胸は、もう苦しくて、気を抜いたら涙がでてきてしまうほどになっていた。それがなぜなのかはわからないけど、もうそんなことはどうでもよくて、とにかく山ノ神を手元に置きたくて、もうそうしないとおかしくなりそうだった。

まさか、自分が絵画を購入するなんて。呆然としたわたしのところに、亜紀さんからいただいたメッセージが、冒頭のもの。そして、バナネイラ(というより猿田彦さま?)にまつわる多くの方々に、わたしと同じようなシンクロが、それぞれ別の絵画に、同時に起こっていた。

そのシンクロがなにを意味するのかを… 論理的に意味づけすることは全く意味のないことだけど。ただただ、バナネイラに在る猿田彦大神が、それぞれの道案内をしてくれた… ということだと思う。それぞれが惹かれた絵画はきっと、1年半前のわたしの猿田彦大神のように、なにかのスイッチというか、起爆剤のようなもので。そして、そんなとてつもないものを亜紀さんさ描ける方なんだということ。

昨日「バナネイラさんのサルタヒコさま、場所、土地、繋がる方々にご挨拶したく…」と、その日に奈良にお帰りになるのに関わらず、亜紀さんがバナネイラにいらっしゃった。そしてそこには、わたしに猿田彦大神を預けた小宮さんの姿も。さらに今回スイッチが入ってしまった多くの友人も集まった。そして… わたしが焦がれた山ノ神も。さらになんと、猿田彦大神の妻となったアメノウズメさまの絵画まで。

帰り際、亜紀さんがハグをしながら… わたしの背骨にとてつもなくあたたかいものを注いでくれたのを感じた。それはもう、慈愛とかそんな言葉では足りない、わたしのなかに残ってるドロドロしたものを全て融かすほどのエネルギーだった。涙腺の蛇口が壊れそうになった。

無限なものは、無限なままに任せるしかない。ただただわたしは、大いなる存在を一枚の絵画として納めることができる亜紀さんと、なにかのスイッチを入れなくてはならなくなった人たちとの架け橋になるということもサブミッションに加えて、これからもずっとバナネイラを守りつづけよう。そう、心に強く置いた。